白血病入院記

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※医師により治療方針は異なります。また、同じ治療を行なっていても、必ず症状に個人差が出ます。参考程度にご覧になってください。

白血病の発見まで

入院の1週間程前から倦怠感(だるい感じ)がありました。体や胸の痛みも感じられました。
高熱(37度後半)があり、胸が苦しい(息苦しい)感じもありました。
まず、インフルエンザと肺気胸を疑いました。

6日前
朝から病院に向かうため、欠勤する。
初めの病院では、熱があること胸が苦しいということを伝え、インフルエンザの検査とレントゲンを行なう。検査結果は異常なし。カロナールを処方される。

5日前
朝は体温が37度程度だったので通勤する。夕方から体調が崩れた(体温は38度)ため、別の夜間診療病院でインフルエンザの検査を行なう。またも検査結果は異常なし。インフルエンザの予防のため、リレンザを処方される。

4日前
朝から38度の高熱のため、欠勤。自宅療養をする。

3日前
朝の体温は37度程度だったので通勤。
通勤途中の階段の上り下りで、息苦しさが増す。帰宅後の体温は38度程。

2日前
朝の体温は37度程度だったので通勤。
電車内で貧血症状(目の前がチカチカ)を起こす。その頃、首筋に引っ掻いた跡や、ぶつけたところに青あざ(内出血)が見つかる。帰宅後の体温は38度。

1日前
休日だったので、さらに別の病院(小さい町医者)に行き、熱があること胸が苦しいことと青あざがあることを言う。先生は青あざがあることに関心を持ち、このとき初めて血液検査をする。
血液検査の分析を他の機関に依頼するため、結果が出るのに3日〜4日程度かかると言われる。

入院当日(0日前)
朝から体中痛くなり、動けなくなる。
どうしても我慢が出来なくなったので、夜になって大学病院に行った。
インフルエンザの検査、血液検査、レントゲン、CTを行なった。
血液検査の結果に異常値が複数見つかり、白血病であるということを告げられ、夜中遅くに緊急入院することが決まる。

寛解導入療法 (2014年2月-3月)

プレドニン, エンドキサン, ダウノマイシン, オンコビン, グリベック, 髄注

治療方針が決定する
骨髄穿刺の結果が出て詳しい病名が診断される。

フィラデルフィア陽性急性リンパ性白血病(ph+ ALL)
この白血病は、後天的に発生した遺伝子異常(bcr-abl)が原因であることが解っている。
この遺伝子異常(bcr-abl)を無くすことが、今後の治療の目的となる。
この型は移植をしないと再発率が高いという統計が出ているため、
今まで選択肢だった骨髄移植が、治療の絶対条件となる。

抗がん剤治療が始まる

副作用
吐き気、食欲不振、味覚障害、脱毛、粘膜障害(口内炎, 胃の痛み)、手先のしびれ、腸が動かなくなる。

粘膜障害により食事が困難になる
口内炎が原因で、歯ごたえがあるものを摂取するのが困難になる。喉や胃の粘膜にも炎症が生じていたため、さらに食が進まなくなる。
胃が痛くて何度も痛み止めの点滴をおかわりしていた。

オンコビンの副作用(腸が動かなくなる)が特にキツかった
腸が動かなくなり便やガスが出なくなる。腸の圧迫により、水すら飲めなくなる。医師の判断により、途中でオンコビンの使用を中止する。骨髄移植まで経験したが、この副作用が一番苦しかった。

体重の激減
入院当初52kgあった体重が、41kgまで落ちる。体重が減ることに対する不安が出てくる。

過呼吸になった(症状的におそらく過呼吸)
意識が遠のく感じで、息が出来ないと医師、看護師に伝える。
すぐさま、血中酸素、血液検査、CT、MRI、レントゲンを行なった。診断の結果は全て異常なしであった。
体が動かなくなり、言葉も発することが出来なくなり、さらにはトイレにも行けなくなったため、尿管を付けられる。
その翌朝には、いつも通りの普通の体に戻る。
相当なストレスがたまっていたのだろう。

地固め療法① (2014年4月)

キロサイド, メソトレキセート, グリベック, 髄注

副作用
吐き気、食欲不振、粘膜障害(下痢)がでる。
特に吐き気が強く感じた。

敗血症になる
レンサ球菌により、敗血症になる。
3日間程、40度以上の熱が続く。心臓と肺に水が溜まり、さらに血圧は上が70まで低下する。
また、血中酸素濃度は70%程になり、酸素チューブを付けることになる。
症状は、ベッドから起き上がるとむせるようにかなり咳き込む。
1週間くらいで完治した。

地固め療法② (2014年5月)

エンドキサン, ダウノマイシン, オンコビン, 髄注, スプリセル

副作用
食欲不振、粘膜障害(胃の痛み)、手先のしびれがでる。
吐き気はあまり感じられなかった。

グリベックからスプリセルへ変更する
遺伝子異常(bcr-abl)が消えないため、グリベックからスプリセルへ変更する。
スプリセルに変更してから、吐き気がだいぶおさまった。
スプリセルを服用してから、胸水になる。スプリセルを減量(100mg → 70mg)する。

この時期、今まで使用した抗がん剤の影響で骨髄も弱ってくるため、血球の回復が最初に比べて、だんだん遅くなってくる。

前処置〜骨髄移植(2014年6月-7月)

全身の放射線(4Gy), フルダラビン, ブスルファン, プログラフ

移植前検査の結果が出揃い、前処置の方針が決まる
前処置は、骨髄非破壊型(ミニ移植)で行なうことが決まる。以下の3つが理由となる。
  • 感染症  :炎症反応が上昇, 無気肺が見つかる, ウィルス感染あり
  • 肺機能低下:拡散能(半分程度), 肺のやわらかさ(70%程度)
  • 心機能低下:同年代の人が100%とすると50-60%程度
副作用
強い吐き気、食欲不振、激しい粘膜障害(口内炎, 下痢)、脱毛の症状がでる。

激しい粘膜障害に悩まされる
粘膜障害により、口から肛門まで荒らされます。
特に口内炎が酷かったため、口の中の皮は剥がれ、食べたり飲んだりするのが非常に困難になる。ツバすら飲むのが困難なので、飲み込まず器に出していた。
また、喉の粘膜にも強い炎症が生じていたため、これが原因で吐き気にもつながった。粘膜障害による吐き気には、吐き気止めが効きません。そのため、白血球の回復による自己治癒しかなく、辛抱強く待つしかありません。
粘膜障害には、フェンタニル(医療麻薬)を使用し、痛みを和らげます。

退院後の生活

グラセプターカプセル, スプリセル

退院時には、まだbcr-ablが残っていたので、あえて少量の免疫抑制剤(グラセプターカプセル)を服用しGVHDが出てくるのを待っていました。
※GVHDでbcr-ablを潰す作戦

GVHDとの闘い
皮膚にGVHDが現れる。初めは腕やお腹に赤い皮疹がまだらに出ていた。その後、頭から足の先まで隙間無く広がり、全身真っ赤になる。
全身かゆいので、じっとしていられない。

スプリセルの再開
皮疹が治まってきた頃に、グラセプターカプセルを終了し、スプリセルを開始する。
2014年12月頃 bcr-ablがなくなる。

今現在の生活 (2015/3/2作成)
ドライアイの疑いがある。(2016/1/11更新)
CRPが上昇し感染症の疑いがある。(2016/1/11更新)
肺機能がわずかに低下しているため、激しい運動は控えている。
→同じ年齢の人と比較して若干劣っていますが、特に問題ありません!(2018/3)
 →同年代の人とあまり変わらない状態に(シムビコート解除)
  ロードバイクで70kmくらい走る(2018/7)
まだ社会復帰は出来ていない。(復帰済みです)
髪の毛は薄いです!
食べ物に制限はなく、お酒をたくさん飲み好きなものを食べている。


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